exhibition archive

「untitled」 2018

   ニーディギャラリーでは、約2年ぶり3度目となる画家・狩野岳朗の個展を開催いたします。これまで表現の一役を担っていたセオリーや言葉から一旦離れ、心の奥底にある曖昧な感覚を、より純粋に形にしたいという表明で題された「untitled」。ある種の束縛から解き放たれ、新たな模索により描かれた作品からは、瑞々しいエネルギーが感じられます。本展では、初のギャラリーでの滞在制作による作品を含む約12点の最新の油彩画を発表いたします。

   For the first time in two years, Nidi Gallery is proud to present its third edition of the artist Takero Kano’s solo exhibition. “Untitled” is a brief separation from the theory and words that play a role of Kano's expression up until now; it is a declaration of the desire to put into pure form the vague feelings at the bottom of his heart. These works are painted free from some kind of restraints and with a new sense of exploration, and they give a fresh energy. In this exhibition, we will present 12 of Kano's latest oil paintings, including his first works produced while in residence at a gallery.
   nidi Gallery

「Look into」 2018

  「ルーペを覗き込んでいると、ふと眼下の木片と自分の境が分からなくなったりする。
   なんだか何かが連続しているようだ。」

   自分が普段見ている近景と、一部を覗き込んだ世界とを描き続けることで、その”何か”に近づけないだろうか。
   > 全体 (near distance - 近景)
   > 部分 (microscope eyes - 拡大視)

「対岸の主観」 / 「Subjectivity of the other side」 2018

  「私から見たら 私以外は その他だが、 自然側から見たら どこまでが自然なんだろう」

   木の枝を観察し、樹皮や葉を拡大したり、時に遠くから見る。
   そういったことを繰り返していると自分と目の前の木の間には隔たりがあるようだが、連続している、といった感覚を持つことがあった。
   それをより体感するために対象の中に入ってみたくなり、山の中で絵を描いた。

「分岐する思考」 / 「Branching thinking」 2017

  「一つの気持ちが整理され、思考が分岐した。 その形は枝のようだ。
   ある次元から見ると人間は樹枝のような生かもしれない。」

   決定  選択  同意  妥協
   中止  継続  別離  虚無

「乳青がかった地図」 / 「Milky blue map」 2017

   内部(自)を観察し、外部(他)と共通する意識を浮かびあがらせる。
   形は共通認識の言語ではなくなり、無意識下で記号としてのちに外部と共有され、それら個体の熱に加わる。

   私は立ち枯れた冬木の屈曲した枝構造を見ていた。ある画家の晩年言ったイノチという言葉がそれと折り重なったように思えた。
   やがてそれは枝から掌の溝へ、地形へ、微細な生き物の形、動き、フラクタル構造、宇宙、
   私という一個体と大きな生命との共通を考えることになっていった。
   形ある物から事象へ、物事を動かしている流れを知りたい。すると画面のそれは筆を持つ個体の純粋な思考と共鳴する必然性があった。
   それは学問のように思えた。

「Here is Somewhere」  2017

   普段見ている文字は無意識に意味が入ってくるが、
   そうでない文字は時折ただの形として見えてくる。
   絵もまた描いた本人にしかわからない記号のようなものだとすると、
   絵を見るということは未知の言語を読むようなことかもしれない。

「EDANE NEXT DOOR 冬の旅 分岐点」 / 「EDANE NEXT DOOR Winter trip, branch point」 2016

「B卓の注文」 / 「Order of B table」 2016

   人は喫茶店で、隣の席の会話や素振りを意識してしまう。逆に隣の人に自分が意識されていることも意識しているように思う。
   A卓の会話がB卓のテーブルの話の発端になったり、B卓の料理を見て、A卓の人が同じ料理をオーダーする、というように。
   自己と他者が微妙な距離感をとりつつ、時にその境界線を越えお互いが影響しあって過ごす場所での相互作用について考察しその状況下で作品を制作。
   すなわち、喫茶店で隣の席を意識し/されながら、できた作品を ''喫茶店'' で展示する。
   また、作家は展示期間中しばしばこの ''喫茶店'' を訪れ、隣の席で絵を描く人として、他者の意識に浸透する。
   Live「浸透深度」 青木隼人(音楽)x 狩野岳朗(ペインティング)x nicolas(料理)

「SIDE DISH COMPOSITION」  2016

   生活 と 絵画
   食べるもの 、見える景色 、いる場所 、そばにある絵
   わたし は なに で構成されているのだろう

   「なにを食べますか」  「なにが見えますか」  「どこにいますか」  「壁にかけているものはありますか」